石油王の横で眠りたい

2000年生まれ、備忘録

君は、アイドルをどう生きるか。

彼女たちはなんで不自由で、自由なのだろう。それが美しくあり、可憐でもあり、切なく、儚くもあるのだから、目が離せないでいる。

 

遅ればせながらの事柄ではあるが、紅白歌合戦についてふれたい。ワースト3位の視聴率とあったが、演出や構成は、とてもよかったと思う。2016年の紅白のような無駄な演出も無かった(ゴジラのような)。1つの時代の終了と、新時代の到来を告げる、なんとも言えない物悲しさと希望が混在していた。誰もが昔を思い返し、誰もが現在を見つめただろう。この紅白歌合戦が、時代を語る上で分岐点になるはずだ。

 

アーティストの起用云々は、個人の好みなどがあるため、あまり触れないでおきたい。アイドルが嫌だという人もいれば、演歌が嫌だという人がいる。それでいい。人の趣味、嗜好にものを言えるほど、人間は偉くない。しかし、年末の番組が多様化している中での今回の紅白歌合戦。視聴率としては大健闘だったのではないか。

 

問題とまではいかないが、述べておきたい点がある。

 

過呼吸で3人倒れた、欅坂46。メンバーへの同情の声、運営に対しての批判の声。さまざまだ。もう一度考えるべきは、アイドルのあり方だろう。前述したブログ「全アイドルへ告ぐ - 石油王の横で眠りたい」で記した通り、アイドルは瞬間を切り取って私たちに売っている。1人のアイドルがアイドルとして死にゆく瞬間を私たちは見たいのでは無く、今という瞬間に希望を注ぎ込んだ彼女達が見たいのだ。

 

平手は紅白でのパフォーマンスによるけがを負っているという。全治一か月とのことで、現在の彼女が見せるギプス姿は姿こそ痛々しいが、安心した。働きづめであった彼女が一時の安らぎを得ているからだ。過呼吸も、けがによる痛みが原因ではないかと言われている。彼女が自分らしくいるために、怪我が引き金であろうと良い機会になることと期待している。

 

アイドルの在り方について、紅白に触れながら記述したが、近ごろ世間に衝撃を与えたのが、ももいろクローバーZ 有安杏果の電撃卒業発表だ。

普通の女の子になりたい、という言葉が印象的な発表となった。先ほど紹介した「全アイドルに告ぐ」でも、キャンディーズが言ったこの言葉を取り上げているが、今回とそれでは全く訳が違う。

有安杏果さん、貴方を嫌いになりました。 - hisayonaraのブログ

今回の騒動を受け、私が感銘を受けた意見がこのブログである。まさにその通りといっても過言ではない。

 

有安杏果はその他のメンバーを「普通の女の子」ではないのだろうか。スタッフが投げかけた有安ではない「残りの4人」という言葉。

 

「『残り』ってなんだ?百田、高城、玉井、佐々木の4人は『有安に置いて行かれた4人』なのか?」

有安は、ももいろクローバーZというアイドルを「普通ではない」という理由で、今「やりたいことはない」と言い切った形で、卒業していく。がっかりだった。彼女は努力の人だということは分かっている。彼女は努力でアイドルをやってきた。他のメンバーとは違った角度からのパフォーマンス。歌。これもアイドルの一つの形なんだと思った。彼女が求めるに適した環境はアイドルだったか疑わしい部分も存在する。EXPG生としての有安も知っている。アイドルになりきれなかった彼女は、アーティストを諦められないだろう。

 

確かに彼女たちは犠牲の上に成り立っている。しかしここまで連れ添ってきたメンバーを、ファンを、欺くような形でにこやかに笑って卒業することが最後でいいのだろうか。疑念は消えない。

 

この文章を読み、不快に感じた方がいたら申し訳ないが、一貫して言えるのは私はももいろクローバーZというアイドルが好きだ。CDも何枚も買って聞いた。ダンスを無邪気に覚えたときもある。彼女たちが切り開いた、アイドルへの親しみやすさ、笑いのセンスや、個性の大切さ、パフォーマンス能力の高さ。私はそれが好きだった。詳しいことに切り込めたものでもない、ただ無情を綴っただけでは理解に乏しいとは思うが。

 

4人になったももいろクローバーZがどういう未来を見せてくれるのか、展望に期待を寄せる。

 

不自由で自由なアイドルという存在は、やはり私を離さないのであった。